厳しい経済環境の中にあって、東京の酪農の将来はどうなっていくのだろうか。経済の見通しは不明だが、後継者という面においての先行きは明るいといえるのではないだろうか。
「東京牛乳」の生産者の団体である東京都酪農業協同組合には、青年部と言う組織があり、30歳代中心の32名が活動している。「酪農という仕事は通常横のつながりがないことが多いが、ここでは同年代の中間がおり、交流の中で色々な情報を聞けるのがありがたい」と中里さんは語る。前田さんは、「この場では何でも情報がオープンなので、みんなで一緒に上を目指すことができる」と話してくれた。みなさんに共通した意見としては、「東京牛乳が出来、色々なコラボ商品も誕生してことで、酪農の未来が見えてきた。コンビニなどにコラボ商品が置いてあると多くの人の目に触れるし、規模は変わらなくても頑張って、質や乳量の面で上を目指そうという気持ちになる」という事なので、若い酪農家たちにとって、消費者と顔の見える関係を築ける東京牛乳は、モチベーションアップにも役立っているようだ。
通常の活動は勉強会や北海道への視察旅行などを行っており、北海道では酪農への刺激を受けたという。ちょうど取材にうかがった日は講師の先生をお呼びして全酪連『“強化”哺育』という勉強会が行われていたが、講義が終わっても雑談のような形で活発な質疑応答が続き、熱気が感じられた。
青年部では勉強の面だけでなく一般への啓もう活動や家族が集まっての交流も行われている。2013年9月に行われた東京工場でのバザールでは、搾乳体験車で実際に乳搾りを体験したり、「都内酪農についてや、日々の乳牛への愛情」に関してのレクチャーなども行った。その他、子供たちの夏休みに併せて、青年部夏期交流会を開催しているという。今年は、相模湖リゾートプレジャーフォレストで、1日楽しく遊び、普段の勉強会や視察などと違い、交流会は奥さんや子供たちも参加するので人数も多く、毎年楽しみの行事になっているそうだ。明日の東京牛乳のために、これからも経験を積んでいって欲しいものだ。
※地産地消=地域の消費者ニーズに即応した農業生産と、生産された農産物を地域で消費しようとする活動を通じて、農業者と消費者を結びつける取り組み。
東京牛乳は東京都酪農業協同組合と多摩地区の酪農家及び協同乳業で共同開発した産地指定牛乳です。
製造工場 協同乳業㈱東京工場(東京都西多摩郡日の出町平井20-1)
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