生産者紹介3. 前田牧場
前田浩利さん 東京都あきるの市
「人に、何で大きくなったの?と聞かれることが多いんですが、自分では、酪農の家に育って、毎日牛乳を飲んでいたおかげだと思っています」と、前田さん。確かにがっしりと骨太で、長身だ。
元気な2代目の前田さんは、父浩一さんが昭和35年に1頭から始めた前田牧場に13年前に入った。子供の頃から酪農の家の跡継ぎとして育てられてきて、学校を卒業する際に牛舎を建て替えるという事もあって、すんなり家業に入ったそうだ。
取材日には、外に珍しい茶色いブチの入ったホルスタインがつながれていたが、先代の浩一さんは、牛の改良にも力を入れていたそうだから、その血は二代目へと、しっかり受け継がれているとみえる。
下を見ると秋川渓谷、上を見ると東京サマーランドの観覧車が見えるという豊かな自然に恵まれた前田牧場では、育成中の牛を自然の中に放牧して、足腰を強く育てている。
2005年6月に「食育基本法」が制定されて以後、“食育”という言葉が話題になっている。一般的には、食材や食品、調理といった「食べる事」に始まり、マナーや伝統といった「文化」、更には自給率や国際的な食糧問題などの時事問題に至る「食」に関する多岐に渡った分野についての教育を指しているが、前田さんの意見はこうだ。「食品が生まれる現場を知ることこそが、本当の意味での食育だと思います。東京という消費地に近いところで酪農をやっているので、子供たちに牛乳が生まれる現場を見て、牛のことを理解してもらいたい」と語る。
確かに、牛乳といえばパックに入って冷えたものをスーパーで買うことしかない子供たちが、牛から搾ったばかりの温かい生乳を見ることは、何よりの食育や命の大切さを知ることになるに違いない。
昔から三里四方のものを食べると健康に良い、と言われてきた。「産地のものを産地で消費するという、昔の人の食の知恵に立ち返った『東京牛乳』には、とても期待しています。安心・安全な東京の牛乳を皆さんぜひ飲んでください!」とは、前田さんからのメッセージだ。
牛乳育ちの元気な二代目がいれば、東京の酪農の伝統も引き継がれていくことだろう。
取材が終わって帰る道すがら、「やっぱ牛乳でしょ♪」という古いCMソングが頭の中でリフレインしていたのは、元気な二代目の影響に違いない。
※地産地消=地域の消費者ニーズに即応した農業生産と、生産された農産物を地域で消費しようとする活動を通じて、農業者と消費者を結びつける取り組み。
東京牛乳は東京都酪農業協同組合と多摩地区の酪農家及び協同乳業で共同開発した産地指定牛乳です。
製造工場 協同乳業㈱東京工場(東京都西多摩郡日の出町平井20-1)
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